R-18『元カノ』

地元に戻った高三の主人公が元カノに再会する話

※主明前提。元カノによる逆レイプ表現を含みます。





(あーあ。地方公務員って、やっぱり安定職だよね)

 にぎやかな夕方の駅前であたしはため息をつく。

 アプリで知り合った相手と初アポの予定だったのに、たった今ドタキャンの連絡が届いたところだった。仕事帰りに化粧し直してターミナル駅まで出てきたのに、完全なムダ足だ。


 二、三週間前ケンカして別れた元カレはやっぱり惜しいことをした。資格持ち公務員といったら田舎ではモテモテの人気職だ。あたしは一応正社員だけど薄給の事務職で、アプリでマッチする相手も元カレと比べるとイマイチだった。

(最近どうしてるの、……と)

 復縁の気配がないかどうかメッセージで元カレに探りを入れ、てきとうに牛丼でも買って帰ろうと思ったそのときだ。


「あれ、……ねぇ、キミ!」

「え?」

 駅にむかって歩いていた青年が振りかえった。さわやかな白い半袖に紺のネクタイ。このあたりの高校の制服だ。黒いくせっ毛にすらりとした細身、黒縁の下の目に見覚えがある。

 懐かしい名前を思い出して呼んでみると、むこうもあたしに気づいたようすであぁ、とうなずいた。

「ごぶさたしてます。……お姉さんですよね、あいつ、元気にしてますか?」

 うん、とあたしもうなずく。弟の中学時代の同級生だ。実家にいたころはときどきうちに遊びに来ていたから、あたしも何度か顔を合わせている。いたいけな中学生の成長ぶりに、あたしは思わず声を上げた。

「てか、すご! めちゃめちゃ背ェ伸びたよね?」

「ああ、中三のときに、けっこう」

「ねー! 昔はあたしよりちょい高いくらいだったのに」

「お姉さんは、……会社員?」

「そそ、事務やってんの。あれ? でもキミ、東京に行ったって聞いた気がしたけど」

 彼はくしゃりと頭をかいて、この春に戻ったところなのだと言った。あまり話したくない事情らしい。まあいいやとあたしは彼の腕をとった。

「ね、晩ゴハン食べ行こーよ、いいでしょ? オネーサンおごったげる」

「え! や、でも、」

「いーじゃんいーじゃん、ちょっとくらい付き合ってよ」

 知らない仲でもないんだしさ、耳もとでささやけば彼はぽっと頬を染めて、あたしはあは、と笑った。


 とおい夏の思い出だ。あたしと彼はほんの一瞬、数週間だけ付き合っていた。付き合っていたといっても真剣なものではなく、ただ好奇心旺盛な男子中学生と、二ヶ月近い膨大な夏休みをもてあました女子大生が知り合って何度か遊んでセックスしただけ。

彼はあたしがはじめてだった。最初にしたときは子ヒツジみたいに震えていて、カクカクと必死に腰を振るさまがかわいかったのを覚えている。


 それにしても、あのときの子どもがこんなイケメンになってるなんて。あたしはこれみよがしに彼の腕に巻きついて、自分の男を見せびらかしながら街を歩いた。

 さすがに制服を飲み屋に連れていくわけにはいかないので、チェーンの飲み屋街を抜けた先のファミレスに入る。

平日の夕飯どきはざわついていて、二、三分待つとあたしたちは二人がけに通された。硬いソファに仕事用の黒いカバンをポンと置き、あたしは紙のメニューをひらいて見せる。


「なんでも好きなもの頼んでいいよぉ、ステーキ? ハンバーグ?」

「えっと……じゃあ、ハンバーグ」

「うんうん、ドリンクバーもつけていいからね。他にも好きなもの自由に頼みな」


 彼はひかえめながらも男子高校生らしい量を頼み、あたしはてきとうなつまみとビールを注文した。ドリンクバーに立った彼は二人分の水を持ってきて互いの手もとに置く。昔から気が利く印象だったがよりスマートな所作が身についている。学校でもさぞかしモテるだろう。

 暑い中を歩いてきた喉にかるく水を飲み、あたしは何の気なしにたずねる。

「ねぇ、彼女いるの?」

「え、……っと、今は、いないですけど」

「あれ、そうなんだ? モテそうなのに」

「そうでもないですよ。……その、好きな相手がいるんで、今は、他の人とは」

「ふーん」

 ちょっとだけつまんない気分。べつに今さら学生と付き合いたいわけじゃないけどさ、こんな美形に片思いされてる女がいるんだって思ったらやっぱりちょっと妬けるよね。


 料理がやってきたのでその話題はそこでひと区切りになって、あたしたちは夕飯を食べながら他愛もない話をした。

「へー、じゃあ、喫茶店に居候してたんだ。なんか、ドラマみたい」

「そんなんじゃないですよ。汚い屋根裏だし」

「でもさ、都会から帰ってきたらこっちなんてつまんなくない?」

「うーん……まぁ、土地勘あるし、そんなに不便ではないかな」

「でも、大学はもどりたいんじゃない? 東京」

 彼は数度まばたきして、「そうですね」とうなずいた。どういう意味の間合いだろうとすこし考え、ああ、と納得する。

(好きなコって東京の子なんだ)

 なんだかそんな目をしてた。やさしく思いをはせるような黒い目。アルコール三、四杯目のあたしはそろそろ酔っていて、机にスーツの肘を乗り出してねえ、とたずねる。


「その好きな相手ってさ」

「へ? あ、はい」

「やっぱ、かわいい?」

「……かわいいです。すごく」

「へえ、どんなコ?」

「えっ……と……髪は、短くて、背は……高め?」

「ふうん、同い年?」

「いや、一個上で、たまたま知り合って」

「へー、年上なんだ。やっぱ甘えたい系?」

「甘やかしてくれるようなヤツじゃないですよ」

「じゃ、どういうとこが好きなの?」

「うーん。素直じゃないっていうか……でもそこがかわいいっていうか」


 言ってるうち恥ずかしくなってきたのか彼は気まずげに頭をかいた。いかにも純愛らしい言い方にあたしはすこし意地悪な気分になる。


「ねぇ、もうやった?」

「え? えっ! い、いや、その……」

 まだらしい。ほんのすこしだけ胸がすいた。このコが最中にかわいい顔するの、その女はまだ知らないんだね。なんか気分いいかも。

 安いワインを機嫌よく飲んで、あたしは彼に甘えて自宅のマンションの下まで家路を送らせた。長話してたからすっかり暗くなっていて、こんな夜に彼が女をひとりで放り出すようなタイプじゃないのはわかっていた。

 あたしは生ぬるい夏の夜風に汗ばんだ黒髪をかきあげ、マンションの入口で彼にお礼を言う。

「ありがとね、送ってもらっちゃって」

「いえ、酔ってたし。心配だったから」

「はは、そういうとこ変わってないね、昔から」

「そうかな?」

「うん。……だから、ごめんね」

「え?」

 暗闇にバチッと火花が散って、次の瞬間彼はあたしに倒れこんだ。護身用のスタンガン、実際に使ったの初めてだったけどホントに効くんだなぁ。


 彼の体を引きずってオートロックをあけ、人目につく前にエレベータを上って自宅のワンルームに帰る。窓辺のベッドに彼の体を横たえると、あたしはベッドサイドの引き出しをガサゴソと探った。

「あ、あったあった」

 元カレが趣味で使ってたおもちゃの手錠だ。いや、そういうアブノーマルなところもキモくて別れたんだけどさ。でも今日はありがたく使って彼の両手を拘束して、膝丈のスカートを持ち上げて彼のお腹の上に座る。うわ、制服にまたがるのって犯罪っぽいかも。意識なくさせてやっちゃおうとしてるんだから犯罪か。まいっか。こっち女だし、襲われたって言えばなんとかなるっしょ。

 革のベルトを外してズボンの前をくつろげると、うなだれたアレがぴこんと顔を出した。まだ縮こまってるけどさすがに数年前よりは大きい。夏場ですこし汗くさいそれを手でつかんでゆるくこすってやると、彼は眠っていたけど体はむくりと反応する。あたしはうれしくなってシコシコとそれを抜いた。


 ファミレスで彼の好きなコの話をききながら、あたしはどうにも目の前の男とやりたくなっていた。寝盗り? 寝盗られ? 男の人ってそういうAV好きらしいけどちょっとだけわかるかも。好きなコいるのにこれからあたしに喰われちゃうんだって思うとすっごいコーフンするもん。

 なんだかムラムラしてきてスカートのファスナーを下ろして、ショーツの中に指をいれながら彼のそれを育てる。扱いてるうちにふくらんだものは大きくて、なんなら元カレのそれより長いかもしれなかった。

 すっかりあてられて先端にむしゃぶりつく。ぴく、と太腿が不意に揺れて、あたしはそれを口に含んだまま顔を上げた。寝起きのぼんやりした目と目が合う。彼は一瞬なにがなんだかわからないという顔をして、それから、あわててジタバタと体を動かした。


「なっ、なん、なにを……ッ!?」

「あ、起きた? 電気って結構しっかり効くんだねー」

「電ッ……? な、なんで、こんなこと、」

「なんかさぁ、やりたくなっちゃって」

「いっ、意味、わからないし! は、離して、」

「あは、この体勢で逃げられると思ってる? やー、さすがに無理っしょ、ほら、ここももうこんなだし」

「ッ……!?」

 自分の股間に気づいた彼は、信じられないという顔をした。あたしは自分のスカートから手を引き抜く。太もものストッキングで濡れた手をぬぐって引き出しをあけた。

大きいけど、太さ自体は元カレの使ってたゴムでいけそうだ。別につけなくてもよかったけど、まあ高校生相手じゃ後が面倒だよね。袋を破る音を聞くと、彼は顔を真っ青にして首を振った。手錠のこすれる金属音がカチャカチャと部屋にひびく。

「やめっ、や、やめろ、ふざけるな!」

「あん、もう、暴れると傷ついちゃうよ?」

「ヒッ……!」

 ゴムをつけようとしたあたしの爪が繊細な箇所に引っかかって彼は肩を縮めた。急所を握られてる恐怖か、たらりと大粒の汗が彼の頬をつたう。もがこうかどうしようか彼が迷っているあいだにあたしはゴムをかぶせてそれの上にまたがった。すっかり濡れてたから自分でストッキングを破ってショーツをずらす。硬くなった先端にぬるりと触れると、彼は震えて歯をカチカチ言わせながらあたしに懇願した。

「やめっ、ゃ、やめて、やめて、ください……な、なんでもする、かわりになんでもするから!」

「えー? ……どうしようかなぁ?」

「っぐす、ほ、ほんとに、したくない、おねがい……けち以外と、おれ、したくなぃか……ッ!?」

 彼が言い終える前にあたしは腰を下ろしてずぷんとハメていた。奥まで届いてきゃあんと背をそらす。あーすご、元カレより全然いい。やっぱ十代ってすごいわ、ガチガチ。

 あたしがゆるゆる動き出してもまだ彼はショックみたいで、あたしのスカートをぼうぜんと見てた。あたしが布地を持ち上げてやってる部分を見せてあげると今度は泣き出してぐすぐす鼻をすすってる。なんだかかわいそうになったから、あたしはティッシュで彼の目をぬぐってあげた。

「ね、ヤだったら好きなコの名前呼んでもいーよ? そのコだと思えばいいじゃん」

「ぅっ……ぐ……ぃ、ぃやだ……ッ」

「そーなの? ホントに好きなんだね、ま、いいけど。あ、あー……やば、これ、サイコー……」

 浅いとこ抜いたり入れたりしてるとめちゃくちゃ気持ちいい。でも奥の奥まで届くのが一番よかった。じゃまくさいシャツのボタンとブラをはずし、胸もとを楽にして十代の性をむさぼる。気づけば彼は眉を歪めていて、あたしは興奮してその顔をのぞきこんだ。

「あは、キミ、いきそうなんだ? さっきからすっごく太くしてるもんね、いいよ、いって。二、三回くらい余裕でできそうだし」

「っや、……いや、い、いきたくない……」

「なんで。いいじゃん、気持ちいいでしょ?」

 うわごとみたいに彼は嫌だとくりかえした。好きなコ以外にいかされるのそんなに許せないんだ、真面目なんだね。でもあたしだって気持ちよくなりたいし、しかたないよね。

「あっあっ……あぁんっ……あーっ、すご、はぁ……っ」

 奥ゴリゴリってするのすごい、すごい気持ちいい。彼は歯を食いしばって手に爪を立てていて、手のひらからはポタポタ赤い血がこぼれてた。出したいのに我慢してる表情がすごいエロくて、身をかがめてキスしたら鉄の味がした。唇が切れるほど噛み締めていたらしい。健気でかわいい。きゅんとしちゃう。

 いよいよ気持ちよくなってきてあたしはぱちゅぱちゅ音を立てて腰を振った。元カレと別れてからシてなかったせいもあってよけいにヤバかった。

「あー……いきそ、いく、いく……」

「! や、やめ、お、おねが、もう……ッッ!」

 あたしの下で彼はビクンと飛び跳ねて、あたしは腰をガクガク震わせて絶頂した。襞がビクビク波打って彼のものを食い締めるたびに気持ちいい。お腹の底まで満ち足りる気分。

あたしはしばらく天井を見上げて、それからふと気づいて視線を下ろした。

「あれ、あー、いっちゃったんだ?」

 彼はシーツに顔を伏せて泣いてた。なんにも悪いことしてないのにね、かわいそうに。

 あたしはよいしょと引き抜いて使用済みのゴムを縛り、それからよしよしと彼のそれを撫でてやった。手の中のものはメキメキと音がするくらいかんたんに大きくなる。最近は一回で終わることも多かったから二回目ってちょっと久々だなぁ、そう思いながらゴムをかぶせてまたハメる。

「あは……すごいね、ガチガチだからすぐできちゃう……」

 もうやめて、かすれた声で彼が言った。嗜虐心ってこういうのを言うのかな? 元カレはSだったからあたしはそれに合わせてたんだけど、案外逆のほうがよかったのかも。泣いてるのはやっぱりかわいそうだけど、泣き顔自体はセクシーでそそる気がする。

 ゆさゆさとお尻を揺すってあたしは機嫌よくほほえんだ。

「ふふ、いっぱい気持ちよくなろうね」

 彼はこれ以上になく絶望的な顔してて、あー、ヤバ、癖になっちゃうかもなと思った。



 さんざんやって、疲れて寝て、平日のアラームで起きると彼はもういなかった。乱れたシーツに彼の血の跡が残っていて、あぁ、洗濯しなくちゃなぁと思う。まあこれだけぐちゃぐちゃになってるからどのみち全部取り替えないとなんだけど。

(あのコ、あたしのこと訴えたりすンのかな)

 シャワー浴びて化粧しながら考えたけど、やっぱりしないだろうなと思った。昨日だって嫌がって逃げようとしたけど女には絶対手を上げなかった。どこかのS野郎とは雲泥の差だと思ったところでふと思い出してスマホをあける。昨日連絡した元カレから返事がきていた。

『やっぱり俺が悪かった、やり直したい』

 昨日までのあたしならすぐに連絡して会ってただろう。でももうまったくバカらしくなっていた。元カレのラインはブロックしてスマホは放った。アイラインを引きながらため息をつく。脳裏には昨晩の彼がよみがえる。あたしはぽつりとつぶやいた。


 ああ、やっぱり、

「いい男だったなぁ」

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